飲んだら乗るな、乗るなら飲むな
よく使われる標語です。飲酒運転は道路交通法で禁止されているのですが、後を絶ちません。飲酒運転が原因の事故は、年間1,000件、死者は300人に上っているのです。しかも、その半数を20歳代の人が占めています。ちょっとした誘惑が重大な犯罪につながるのです。
飲酒が運転に与える影響
血中のアルコール濃度が0.05%以上で、事故の可能性は2倍になり、0.1%になると6〜7倍になります。これは、お酒1、2合の量に相当し、ほろ酔い初期の状態です。
抑制が取れ、判断力が鈍っています。運転が乱暴になったり、スピードの出しすぎにも気づかないことになります。
動体視力や集中力も低下しますので、信号や路上の人への見極めが後れ、とっさの対応が難しくなり、ブレーキを踏むタイミングが遅れます。
平衡感覚も鈍るので、直進運転もあやしくなります。その結果が悲惨な事故に・・・・。気づいたときには既に遅いのです。
飲酒運転の代償
飲酒運転の取り締まり件数は、約33万件(1998年)にも及んでいます。
酒酔い運転は違反点数25点《免許取り消し》、懲役又は罰金。
酒気帯び運転は懲役又は3罰金。平成14年の法改正により酒気帯び運転の違反点数が変わり、呼気中のアルコール濃度が0.25mg/L以上の場合、違反点数13点《免許停止》。
同じく呼気中のアルコール濃度が0.15mg/L以上0.25mg/L未満の場合、違反点数6点《免許停止》。 という罰則が与えられます。
さらに、万一交通事故を起こせば、禁固または罰金が科せられます。刑事罰に加えて、民事では賠償責任を問われます。
酔いがさめるのは自覚より遅い
アルコールは30分ほどの間に約3割が胃から吸収され、残りが1、2時間かけて小腸から吸収され、血液中に入り、門脈を通り、肝臓へと運ばれます。
肝臓では、アルコールが分解され、最終的には二酸化炭素と水にまで分解されます。1時間で完全に分解できるアルコールの量は、体重のおよそ1/10000、体重が60kgの人なら6gくらいと言われています。
これは日本酒0.3合くらいですから、1合の清酒中のアルコールを分解するのに3時間かかることになります。これ以上の速さで飲むと酔ってくるのです。
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